今回は、Web制作とWeb開発の違いについて解説します！
まずは結論から！
結論
- Web制作
-
マーケティングツールの1つとして用意するWebサイトを作成する。
主にユーザーが知りたい情報を得るためのもの。
例：コーポレートサイト、LP（ランディングページ）など - Web開発
-
ユーザーが使用することに価値があるソフトウェア開発をする。
例：LINE、Instagram、TikTokなど
このように、Web制作とWeb開発では言葉が似ているだけで、そもそも作成するモノが異なりますし、目的も違います。
比較対象とするのがそもそもおかしいのですが、
比較されるようになってしまったのは、どちらにもエンジニアという職業があり、プログラミングという過程があるからでしょう。
また、Webサイトの制作をやっていてWebシステムの開発もやっています、という企業もあるので余計ややこしいです。
この記事では、Web制作とWeb開発の違いについて深く知ることができます。
あなたの今後のキャリアのお役に立てると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです！
Web制作、Web開発の仕事内容
Web制作とWeb開発の仕事内容をまとめると、以下のようになります。
- Web制作は主に企業がユーザーに届けたい情報をWebに掲載する。
- Web開発はユーザーが使うことによって価値がある（便利になる）ものを開発する。
Web制作はユーザーに届けたい情報をWebで発信する
Web制作の仕事はユーザーに届けたい情報をWebで発信するのが仕事です。
- コーポレートサイトの制作
- LP（ランディングページ）の制作
- 商品情報を掲載する商品サイトの制作
Web制作の仕事は広告業です。
企業がPRするためにWebサイトを作成し、ユーザーに届けたい情報を発信できる仕組みを作ります。
そのためにWordpressなどのCMSを利用してWebサイトを作成するのが仕事です。
Webサイトを制作する仕事というのはほんの一部の仕事に過ぎません。
多くの部分を調査・分析、どういうデザインにすればユーザーに届くか、という検討・決定に時間を費やします。
そのため、重要視されるのはデザインです。
デザインを再現するためにHTMLやCSS、JavaScriptを利用して、ユーザーの心が動く、認知、購買行動につながるようなデザインのWebサイトの制作が求められます。
Web開発の仕事内容
Web開発の仕事はユーザーがWebで使用するソフトウェア、ツールを作成するのが仕事です。
Web開発の仕事は製造業です。
企業がユーザーが使うことでより便利に生活できる、仕事ができる、そのようなソフトウェアを開発します。
LINEもInstagramもTikTokもユーザーが使っていて面白い、便利だと感じているから利用しているでしょう。
Webアプリケーションの場合は常にアップデートが要求されます。
競合他社にあって、自社に無い機能があればユーザーが離れていってしまうかもしれません。
常に新規機能の開発や、パフォーマンスの向上などを行わなくてはなりません。
そのため、重要視されるのは開発スキルです。
HTML、CSS、JavaScriptはもちろん、サーバー、データベースなどの知識も必要ですし、高いスキルが要求されます。
Web制作とWeb開発に必要なスキル
Web制作とWeb開発では求められるスキルが異なります。
あなたの歩みたいキャリアによって習得すべきスキルが変わってきますので、参考にしてください！
Web制作に必要なスキル
Web制作には以下のスキルが必要です。
- HTML、CSS、JavaScriptを使用してサイトを作るコーディングスキル
- WordPressなどのCMSを利用したサイト制作スキル
- Webマーケティングスキル
- PhotoshopやIllustrator、XDを使用したデザインスキル
基本的にはホームページの制作が多くなりますので、最低限ホームページが作れるくらいのコーディングスキルは求められます。
デザインだけ、コーディングだけでもある程度は稼げるようになりますが、Web制作において最も重要なのはマーケティングスキルです。
SEOやリスティング広告、LP施策など、結果を出すために必要なスキル + デザイン or コーディングスキルを持っていると重宝されるでしょう。
Web制作をやっていてGoogleアナリティクスの見方がよくわかりませんという方もいらっしゃいますが、Web制作のプロであるならば、最低限のマーケティングスキルがないと難しいでしょう。
Web開発に必要なスキル
Web開発には以下のスキルが必要です。
- サーバー構築スキル（必要なミドルウェアのインストールや設定ができる）
- データーベースの設計や構築スキル
- プログラミングスキル（JavaScriptやPHP, Rubyなど）
Web開発では自分1人で簡単なアプリケーション開発ができる程度の開発力は必要です。
最近はサーバレスで開発することも多いですが、まっさらなサーバに必要なミドルウェアをインストールして設定する経験はあった方が良いです。
また、データベースに対する知見も必要です。
基本的にユーザーが入力した情報は永続化（蓄積）することが基本ですので、データベースへの理解が必要です。
プログラミングスキルについては、絶対条件です。
そもそもプログラミングができないと仕事にならないので、言語を書ける必要があります。
フロントエンドかバックエンドを選ぶかで習得すべき言語は変わりますが、最近ではフロントエンドエンジニアでもサーバサイドの知見が必要になっています。
Web制作とWeb開発のキャリアパス
Web制作とWeb開発のそれぞれのキャリアパスについて解説します！
Web制作のキャリアパス
Web制作の仕事は企業に営業して仕事を獲得し、ホームページやLP、Webマーケティングを行なっていくことが主な仕事です。
そのため、エンジニアとしてスキルを極めても下流工程の仕事になってしまうため、収入の上限が低くなってしまいます。
ディレクターなどの上流工程を担当していく方が収入アップは見込めます。
エンジニアからディレクターになった場合は、マーケティング、デザインの知識を早めにキャッチアップすることをおすすめします。
ディレクターの仕事はクライアントと社内の板挟みになりますが、それぞれの仕事を理解しているディレクターというのは案外少ないです。
マーケティングの知識やデザイン、コーディングの知識も含めディレクションできるのであれば、独立という道も見えてきますので、キャリアの幅は広がると思います。
Web開発のキャリアパス
Web開発の仕事は基本的には要件定義し、設計〜開発というフェーズを踏んでいきます。
自社でサービスを運営している会社のエンジニアのキャリアパスとしては、
- テックリードエンジニア
- プロジェクトマネージャー
- プロダクトマネージャー
などのキャリアパスがあります。
技術に全振りすることもできますし、統括管理職を目指すキャリアパスも用意されていることがほとんどです。
Web開発においては高い技術力というのは武器になるので、Web制作とは異なりその道を究めていくことも可能です。
また、プロジェクトマネージャーなどの管理職になる道もあるので、管理職としてチームを牽引していきたいという方はそういう道もあります。
Web制作、Web開発の業界動向
Web制作とWeb開発の業界動向について解説します。
Web制作の業界動向
今後のWeb制作については以下のようになると思います。
- ノーコード、ローコードツールが出てきてコーディングだけでは稼ぐのが難しい
- とはいえ、Web制作の仕事はなくならない
- 今後はWebマーケティングスキル + ノーコード、ローコードツールを使いこなす必要がある
Web制作においてコーディングというのはそこまで大きなウエイトを占めるものではありません。
凝ったアニメーションなどをしないのであれば、そこまで難しくないでしょう。
また、ノーコード、ローコードツールにより簡単にWebサイトを作ることができる時代になっています。
とはいえ、マーケティングを絡めたWebサイトの制作、運用というのは素人では難しいものです。
SEO施策やLPのABテストなどは専門知識や経験が必要ですので、そういう部分で差別化をしていく必要があります。
最近のトレンドはJAMstackですが、まだまだWeb制作の現場には浸透していないので、早いうちに身につけておくと良いと思います。
Web開発の業界動向
今後のWeb開発については以下のようになると思います。
- ChatGPTなどの生成AIを用いたコーディングが一般的になる
- それにより、エンジニアの求人は徐々に減っていくのでは？
- プログラミングスキルよりもビジネス課題をどう解決できるかを考える力が重要になってくる
数年前まではエンジニアバブルと言いますか、「エンジニアになれば稼げます！」みたいなのをよく見ましたが、
ChatGPTが登場してからは、1人のエンジニアの生産性が上がるので、エンジニアの数というのは減っていくと思います。
エンジニアとしての生存戦略としては、より上流工程に進んでいく方が良いと思います。
プログラミング自体は下流の仕事ですので、極めれば武器にはなりますが、大半のエンジニアよりChatGPTが書いたコードの方が良い、なんてことは当たり前になると思います。
そういう状況の中で、1エンジニアとして価値を発揮するためには、上流工程でビジネスをシステムに落とし込むスキルで戦っていくのが良いと思います。
結局、基礎となるプログラミングは学んでおく必要がありますが。。笑
まとめ
今回の記事では、大きく以下の点について解説しました。
- Web制作は広告業に深く関わっており、マーケティングスキルが重要
- Web開発は製造業のようなもので、技術スキルが重要
- Web制作とWeb開発はそもそも違うものなので比較するものではない
あなたが目指すキャリアがWeb制作にあるのか、Web開発にあるのか参考になったでしょうか？
Webエンジニアを目指すのであればWeb開発ができる企業に就職することをおすすめします。
Webマーケターを目指すのであればWeb制作の企業に就職すると良いでしょう。
Web開発の会社でも受託でWeb制作の仕事を受けていたりするので、ごっちゃにされがちですが、ビジネスの本質的な部分は全く異なります。
どっちが良い、悪いというのではなく、あなたのキャリアに合う方を選んでみてください！
